純正部品でなくても

図面さえあればその部品をメーカーから高値で買わなくても済みます。

図面の画像

工場で使われる機械や自動車などの部品は、新たに調達しようとするとメーカーに発注して純正品を取り寄せることになります。
でもメーカー純正品は同等の性能を持つ他社製品と比較するとかなり割高な値段設定がされていることは、見積もりや請求書をみたことがある人なら知っています。
なぜ高いのか、それはメーカー名つまりブランド名を背負っているから、そして その名の下に管理されているためで、ノーブランドの品よりも数割高いというのが社会のルールとなっています。 「性能に違いがないのになんでだよ、納得できない」と憤る気持ちも深く理解することはできますが、ユーザーが文句を言ってもそんなに値切れるものではありません。メーカー保証とブランド料と割り切るしかないでしょう。こうした付加価値により通常より高くなることは珍しいことではありませんし、意外とすんなりみなさんが受け入れているケースもあるのです。
観光地で飲食すれば同じようなものでも地元の商店街よりも料金は高くなりますし、遊園地なんかではより顕著にそれが実感できるはずです。でもそれに対して少しばかり文句があっても納得して支払いをしています。そこで食べることに意義がある、だから近所の食堂の倍の値段でも仕方がないと 思ってしまうのでしょう。
それに似たようなもので、「信頼できる純正品ということだしメーカーの品だから 値が張るのもしょうがないか、他に売ってるお店もみつからないし」と諦めてコストの高い純正部品を使用してきた工場や作業員、整備士も多いでしょうが、その問題を解決するかもしれないのがリバースエンジニアリングです。「このパーツ消耗してきたからそろそろ交換しなければ」といった時、その都度メーカーに発注してお取り寄せするよりも安く済ませられる方法があるとしたら、それはリバースエンジニアリングでしょう。純正品を解析して図面を作成し、そこからスペアパーツを作ってしまうのです。1回限りだとそんなにお得にはならないかもしれませんが、繰り返し何度も交換する部品ならこれでかなりのコストダウンをすることができるでしょう。一度図面を作ってしまえば純正品よりも安く保全用のスペアパーツを確保しておくことができるようになりますし、そのスペアパーツの性能は純正品と遜色のない レベルなのが条件ですが、メンテナンスやランニングコストを考えてもかなりのメリットがありそうな話しでしょう。ただしコピーするのが困難な部品、重要なパーツなど純正品を使うべき箇所はリバースエンジニアリングで複製することは避けたほうがよく、あくまで代用可能な部品のみをリバースエンジニアリングで対応するようにします。自動車で例えるならワイパーのゴムの交換やウォッシャー液の補充ではメーカー純正品を使わなくでもいいですが、エンジンは絶対にそれ以外を使用してはいけません、という感じでしょうか。それ以外のさほど重要でない部分や図面や設計図、仕様書さえあれば簡単に複製 できるパーツのみ、リバースエンジニアリングが効果を発揮します。
もしあなたの工場で使われているマシーンに定期的に交換しているパーツがいくつかあるのなら、そしてそのたびにマシーンの製造メーカーから純正品を購入しているのなら、一度リバースエンジニアリングを請負ってくれる企業を探し相談してみてはいかがでしょうか。長期間稼動させるほど経営者はランニングコストのことも考えねばならず、それを低く抑える可能性があるのなら調べてみる価値はあるでしょう。 どこまでできるかは企業によりけりですし、最近だとパーツの写真を送る程度の ことで初期対応をとってくれる会社もあり、敷居は低くなっています。